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インプラントと骨再生

インプラントについて

当院ではアパタイトを応用したインプラントを実施しています。
アパタイトは骨親和性が極めて高いことを特徴とする生体材料です。
アパタイトのみでインプラントを作製することも可能です(診療メニュ−ペ−ジ参照)が、このアパタイトの生物学的特性は1/1000mmオーダーでチタン表面にコートするだけでも十分に発揮されます。
当院スタッフによる研究結果を簡単に示します。


インプラントの骨内埋入後2週の組織像

インプラントの骨内埋入後2週の組織像 矢印の箇所は新生添加骨
(矢印の箇所は新生添加骨)

左はチタンにアパタイトの薄膜(肉厚数)をコートしたインプラントの骨内埋入後2週の組織像です。

インプラント表面のほとんどに新生骨が添加形成されているとともに、その新生骨はインプラントと直接結合しています。この組織所見は本インプラントが高い骨親和性を備えたインプラントであることを示しています。




アパタイトと骨の結合図

アパタイトと骨の結合図右はアパタイトと骨の結合が化学結合であることを示す透過型電子顕微鏡写真で、この写真はアパタイトを成犬下顎骨に埋入し8ヶ月経過した標本の骨とアパタイトの界面を超高倍率で撮影したものです。

両者界面においてアパタイト結晶のC軸方向に0.82nm間隔で出現する結晶格子が骨の結晶とアパタイトいずれにもみられ、両者の結晶格子は界面でヒューズするとともに同一方向を示しています (文献2)。


当院で使用しているインプラントの例

当院で使用しているインプラントの一例


チタンにアパタイトの薄膜がコートされています。





骨再生について

骨再生について
骨再生について 図1

図1

大きさ 25mm×10mm×10mmで、気孔率約85%の多孔質アパタイトを皮下脂肪組織に埋入し、16週後に摘出した標本。

 

インプラント治療はアゴに十分な量の骨が残っている場合に実施できます。


十分な量の骨が残っていない患者さんの場合にも、骨の回復が可能であればインプラント治療ができます。
このような骨の回復を骨再生( Bone Regeneration)といいます。骨再生は歯科のみならず医療全般に広く求められている技術で、世界中で様々な研究がしのぎを削って進められております。 
本格的な骨再生を得るには骨誘導能( Bone Induction )を示す何らかの要素が必須です。


最近、私共の研究も含めて、アパタイトを特殊な構造の多孔体として用いた場合、その多孔体が骨誘導能を示すことが認められ、特に私共はこの多孔質アパタイトに超微細骨粉の高希釈懸濁液を含浸させることによってその骨再生能を一段と強化させられることを見出しました(文献3〜10)。

このような特殊な多孔質アパタイトのブロックを犬の背部皮下脂肪組織に埋入した実験結果を紹介します。





骨再生について 図2

図2
図1のブロックの一断面で、新生骨組織がブロック内を満たしています。


骨再生について 図3 骨再生について 図4

図3(図2の一部の拡大)

 

図4(図3の一部の強拡大)

アパタイトブロックのマクロ気孔()の壁に沿って骨が形成されています。 

 

新生骨間の骨髄に巨大核細胞()をはじめとする造血細胞が認められ、このことはブロック内に形成された骨組織が正常な骨組織であることを示しています。
は気孔を構成するアパタイトの二次粒子。                 



図1〜4は皮下脂肪組織という骨とは関係のない異所性においても大きな骨組織を再生させることが可能であることを示していますが、アゴなどの骨の表面にこの多孔質アパタイトを添加した場合にも、もちろん同様の骨再生が既存骨の上に得られることを確認しています。
以上のことは下図のようなことが可能であることを示唆します。


骨再生について
骨再生について
骨再生について

文献

1.

M. Ogiso, “Reassessment of long-term use of dense HA as dental implant: case report,”J. Biomed. Mater. Res., 43, 318-320 (1998).

2.

M. Ogiso, T. Tabata, T. Ichijo, and D. Borgese, “Bone calcification on the hydroxyapatite dental implant and bone-hydroxyapatite interface,” J. Long-Term Effects Med. Implants, 2, 137-148 (1992).

3.

小木曽誠、“チタン・アパタイトの骨組織との生体適合性、” 生体材料、21, 450-457 (2003).

4.

小木曽誠、山村将夫、峯野誠司、山下靖雄、松本智勇、“細骨骨粉を用いた骨再生法、 ” 第25回バイオマテリアル学会、135 (2003).

5.

小木曽誠、峯野誠司、服部重孝、山下靖雄、“微細骨粉を使った骨再生法、” 口病誌、71, 152 (2004).

6.

M. Ogiso, M. Yamamura, S. Mineno, Y. Yamashita, T. Matsumoto, “A bone regeneration method using bone powder,” 7th World Biomaterials Congress, 63 (2004).

7.

小木曽誠、峯野誠司、松本智勇、“超微細骨粉と多孔質アパタイトを用いた骨再生法、” 日本整形外科学会誌、78, S799 (2004).

8.

小木曽誠、峯野誠司、服部重孝、山下靖雄、山村将夫、松本智勇、“超微細骨粉含浸多孔質アパタイトおよび多孔質アパタイトの骨再生能、” 第113回日本補綴歯科学会、146 (2005).

9.

M. Ogiso, S. Mineno, S. Hattori, Y. Yamashita, T. Matsumoto, “Osteoinductive potentials of porous apatite, and porous apatite impregnated with super fine bone powder,” 19th European Conference on Biomaterials, (2005). 

10.

S. Mineno, M. Ogiso, S. Hattori, Y. Yamashita, M. Yamamura, T. Matsumoto, “Effects of nutrient channels on ectopic bone formation in porous apatite blocks impregnated with super fine bone powder,” 19th European Conference on Biomaterials, (2005). 

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